
こんにちは、でこぺんです。
今回の1冊は「いとエモし ー超訳 日本の美しい文学」です。
【をかし/wokashi】
心が揺さぶられ、なんとも言えない気持ちになること。
用例/いとをかし
【エモい/emoi】
心が揺さぶられ、なんとも言えない気持ちになること。
用例/マジエモい
あら、完全にシンクロしてますね。万葉の時代、令和の時代。
いつの世も、誰に教えられたわけでもないのに、自然とわいてくる情念。



でこぺんのお気に入りを、3つ引用させていただき紹介します。


人はいさ 心も知らず
ふるさとは
花ぞ 昔の 香に 匂いける
人は、忘れちゃうんだ。いろんなことを。世の中なんて、飽きっぽいもんさ。
俺ももうずいぶん、いろいろ忘れてしまった気がするよ。あなたはどうだい?
でもさ、花の香りだけは変わらないんだ。この花は、昔、ここで香ったのと同じ。いいにおいがするよ。
-『古今集』42 紀貫之(百人一首35番)


旅に病で
夢は枯野を
かけ廻る
ずーっと
旅ばっかしてきてよ。
俺はたぶん死ぬけど
夢の中でも旅を続けると思うんだ。
楽しみだな。
-『笈日記』松尾芭蕉


おごれる者久しからず、
ただ春の夜の夢のごとし。
たけき人もつひにはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。
宇宙からすれば、人生は「一瞬の風」。
ヒトの考えた成功や失敗に意味なんてないんだよ。
だからこそさ、自由なんだ。
どう生きるのかは、自分で選ぶんだ。
-『平家物語』1巻1段より
先人たちの思いを、私たちは時空を超えて、いま感じることができる。
古めかしくてとっつきにくい古典ではなく、ナウを彩る生きた感覚として。
あなたの心をふるわせるフレーズに出会ってね。

