こんにちは。でこぺんです。
今日ご紹介するのは、絵本『まっくろ』です。
『まっくろ』は こんな絵本
学校の教室で、絵をかく時間。
先生は言いました。
「みんなのこころにうかんだことを かいてみましょう」
電車やお花、みんながカラフルな絵をかく中で、ひとりの男の子は画用紙をまっくろに塗りつぶします。心配する周りの目も気にせずに、夜になっても次の日になっても、何枚も、何枚も…。
まっくろくろくろ まっくろけ。
まっくろくろくろ まっくろけ。
男の子は、まっくろの紙たちをつなぎあわせました。そこには、なにが見えたでしょうか。
おすすめポイント
ほんとうは、別の絵をかきたいけど。笑われたら恥ずかしいから、みんなとおなじ赤いお花をかいた。
ほんとうは、のんびり空を見ていたいけど。ひとりになるのはイヤだから、みんなと一緒におしゃべりしてた。
そんな経験はないでしょうか。私は、あります。
誰の目も気にせずに、思うまま画用紙を黒に塗りつづけた男の子。
その黒は、どこかあたたかく、やわらかく、やさしい色をしています。
男の子が、心のままに色を塗りつづけたからこそ、出会うことができたもの。それが何だったのか、ぜひページをめくって一緒に見つけてもらえたらと思います。
男の子が、淡々と、でもブレない心でまっくろに塗っていくのを見ていると、ああ、私も私のままでいいんだなあと励まされるような気持ちになります。
いつもありのままでいられるわけではないけれど。
周りに合わせるのにつかれてしまった時や、心のままにいてもいいんだと思い出したい時に、手に取ってほしい一冊です。
次回の「心によりそう本」では、Fukaseさんの『BLUENO』を紹介します。読んでいただけたらうれしいです。